1RM(最大挙上重量)とは?計算式と目安を解説 | Strongbro
クイックアンサー
1RM(最大挙上重量)とは、特定の種目で正しいフォームで1回だけ持ち上げられる最大重量のことです。トレーニング記録における筋力の指標となります。多くのトレーニーは直接測定せず、Brzycki法などの計算式を用いてサブマックスセットから推定します。例えば80 kg × 8回なら、1RMは約99 kgと予測可能です。この数値を継続的に記録することで、筋力の伸びを確認できます。
1RM(最大挙上重量)は、トレーニング記録の基準となる数値です。プログラムの負荷設定や自己ベストの比較、そして「数ヶ月前より強くなったか」という問いに対する答えとして機能します。ここではその意味と計算方法、注意点を解説します。
計算方法
1RMを導き出すには2つのルートがあります。直接的な方法は、ウォーミングアップ後に重量を少しずつ増やし、正しいフォームで1回だけ持ち上げられる限界重量を測定することです。もう一つは、数回行ったセットから計算式を用いて推定する方法です。主に以下の2つの式が使われます。
Brzycki法:回数が増えるごとに除数が小さくなる計算式です。
1RM = 重量 ÷ (1.0278 − 0.0278 × 回数)
Epley法:回数に応じて乗数が増える計算式です。
1RM = 重量 × (1 + 回数 ÷ 30)
例えば、80 kgを8回行った場合:
- Brzycki法:80 ÷ (1.0278 − 0.2224) = 80 ÷ 0.8054 = 99.3 kg
- Epley法:80 × (1 + 8 ÷ 30) = 80 × 1.267 = 101.3 kg
その差はわずか2 kgで、ジムにある最小プレート以下の誤差です。10回を境に数値が入れ替わりますが、どちらの式も実用上の目安としては十分です。
この推定値は2〜6回のセットで最も信頼性が高く、10回までは実用的です。12回を超えると筋力よりも持久力が影響するため、あくまで目安として捉えてください。
推定値と実測値の違い
実測1RMはより正確な数値であり、2020年のGrgicらによるレビューでも高い再現性が確認されています。しかし、測定には入念なウォーミングアップ、補助者、万全のコンディションが必要で、測定後は数日間の回復期間を要します。毎月測定を行うと、トレーニングの効率を下げてしまう可能性があります。
一方、推定1RMは日々のハードなセットから算出できるため、セッションごとに数値を更新できます。今日持ち上げられる正確な重量を知るためではなく、8週間というスパンで筋力が向上しているかを確認するために活用してください。
トレーニング記録における重要性
単純なセット数だけでは比較が困難です。例えば「90 kg × 5回」と「80 kg × 8回」のベンチプレスでは、どちらが強いか判断できません。しかし、推定1RMに換算すればそれぞれ101 kgと99 kgとなり、成長が一目瞭然になります。これが、進捗管理システムにおいてe1RMが重視される理由です。
また、限界に挑戦しなくても自己ベストを更新できます。デッドリフトのベストが140 kg × 5回であれば、140 kg × 6回を達成した日に推定1RMを約158 kgへ自動更新でき、無理な高重量への挑戦を避けることができます。
よくある間違い
- 余力を残したセットからの推定:計算式は限界に近いセットを前提としています。余裕のあるセットから算出すると数値が低く出てしまいます。
- 15回以上のセットからの推定:12回を超えると計算式が実態から乖離し、10%以上の誤差が出ることがあります。その日の最も重いセットを参考にしてください。
- 計算式の変更:途中でBrzycki法からEpley法へ切り替えると、成長していないのに数値が上がったように見えてしまいます。一度決めたら変えないようにしましょう。
- 種目間での比較:1RMは種目ごとに異なります。ポーズありのベンチプレスとタッチ&ゴーのベンチプレスは別物として記録してください。
- 推定値を目標にする:e1RM 100 kgはあくまでトレーニングの指標であり、いきなり100 kgを担いで良いという許可ではありません。
Strongbroでは、Brzycki法を用いてベストセットから推定1RMを自動計算し、各回数の自己ベストと並んで自動パーソナルレコードとして記録します。計算を試したい場合は、1RM計算ツールで両方の式を比較できます。関連用語:トレーニングボリューム、RPE、および用語集。
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よくある質問
実測の1RMと推定1RMの違いは何ですか?
実測1RMは実際に1回だけ持ち上げた重量です。推定1RM(e1RM)は、数回行ったセットから計算式で導き出した数値です。実測は正確ですが、疲労が溜まりやすく準備も必要です。推定値は日々のハードなセットから算出できるため、筋力の推移を追うのに十分な精度があります。
どの1RM計算式が最も正確ですか?
Brzycki法とEpley法は、2〜10回のセットであれば誤差は1〜2 kg程度で、10回ちょうどでは同じ結果になります。10回を超えると筋力よりも持久力が影響するため、どの式でも誤差が出やすくなります。記録用としては、一つの式を決めて使い続けることが重要です。
自分の本当の1RMを測定すべきですか?
競技者や、プログラムで必要とされる場合のみ行うべきです。真の最大重量を測るには入念なウォーミングアップと補助者が必要で、疲労も残ります。一般的には3〜6回のセットから推定する方が、怪我のリスクを抑えつつ筋力の傾向を把握できます。
推定1RMがセッションごとに変わるのはなぜですか?
その日の体調や睡眠、食事、トレーニング順序によって挙上できる重量が数%変動するためです。計算式はその変動をそのまま反映します。日々の数値に一喜一憂せず、週単位や月単位のトレンドとして捉えるのが賢明です。
1RMの計算式はすべての種目に使えますか?
スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなど、動作が安定しているバーベル種目やマシン種目で最も有効です。自重トレーニングや15回以上の高回数種目、筋力よりもテクニックが制限要因となる種目では精度が落ちます。
根拠・出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット — 身体活動
- World Health Organization — physical activity fact sheet
- Grgic et al. — Test-Retest Reliability of the One-Repetition Maximum (1RM) Strength Assessment: a Systematic Review (Sports Medicine – Open, 2020)
- American College of Sports Medicine — Position stand: Progression models in resistance training for healthy adults (2009)
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